融接とは、母材(溶接素材)の溶接部を加熱して素材同士を溶かした状態にし冷却することで接合する方法と、溶接部に溶加材を溶かし冷却することで接合する2種類の方法があります。
溶接と勘違いされやすいですが、溶接を分類でわけると「融接・圧接・ろう接」になります。融接という言葉になじみがないかもしれませんが、融接は溶接として説明されることもあるくらいポピュラーな溶接方法です。バチバチッ!と火花を散らしながら作業している姿を見にしたらそれらは融接の作業をされています。
融接では圧接とは違い溶接素材同士に機械的な圧力を加えることは基本的にありません。手作業で行う場合は品質的にも長年の技術と経験に左右される要素が大きく作業者によってその差が顕著に現れます。
融接(溶融溶接)のメリットとデメリット
融接の主なメリットとデメリットは次のものが挙げられます。
【メリット】
- 製品の形状に問わず加工しやすい
- 比較的容易に接合できる
- 融接方法次第で気密性が確保できる
- 薄板や厚板の接合ができる
- 強度の確保が可能
【デメリット】
- 溶接の影響で材料の性質が変化し歪みや変形がおこる
- 寸法精度の確保が困難になる
- 溶接ビードなど品質的に不具合を生じることがある
- ブローホールやピンホールなど溶接不具合が発生するリスクがある
- 接合するとバラすことが困難になる
融接の種類
融接は大きく分けて次の3つが多く使われています。
アーク溶接
- 溶接種類が豊富でアーク放電という放電現象を利用した溶接方法です。
温度は中心部で約16,000℃にも達しあらゆる母材を溶融します。
ガス溶接
- 可燃性ガスの燃焼によって得られる熱を利用した溶接方法です。
レーザー溶接
- レーザー光線から得られる熱を利用した溶接で局部的な微細溶接が可能です。